書籍
私のように黒い夜

想像したことありますか?もし私の肌がブラックだったら... 全身を黒く焼き塗り合衆国南部に潜入した白人ジャーナリスト手記、40年を経て待望の復刻。
★序文/スタッズ・ターケル★

「白人が黒人になったら、どんな風に自分を変えなければならないのだろうか?
皮膚の色という、自分でどうすることもできないもののために差別を受けるというのは、どんな気持ちだろう?」

1959年のある日、黒人に姿を変え、自分自身で差別の実態を体験してみることを決意したジョン・ハワード・グリフィン。旅する先は、当時もっとも過酷な人種差別が行われていたアメリカ合衆国南部の街。それもバスとヒッチハイクを乗り継いでの旅だった。
旅を終え、その体験と個人的思考を記した日記を雑誌に提供、各局テレビ取材も相次ぎ全米が騒然とする中、この本『Black Like Me』は出版された。

日本で初版が刊行されたのは40年ほど前、公民権運動が過熱している頃で、この本の発売は日本でも衝撃と共に大きな話題を集める。

命をかけた“潜入取材レポート”であるこの本の興味深さは、エピソードの多さにあるだろう。‘乗合いバスでは必ず後ろの席に座る’‘公共トイレやレストラン、その他黒人は決して白人と同席できない’‘白人と目を合わせることはもちろん、壁に貼られた白人女性のポスターを見てはならない’といった卓上ではよく知られる差別が、実際に元白人グリフィンに向かって次々投げかけられる。さらにヒッチハイクの車で繰返し受ける非人間的な扱い、宿を乞うた黒人家庭での交流などから浮び上がる、白人社会に仕組まれた差別の図式...
常に正直な言葉で語られるグリフィンの日記は、アイデンティティの喪失におびえるグリフィンの複雑な感情も吐露しながら、差別を受ける側の日常をリアルにえがいて行く。

また、初版から45年を経て刊行された『私のように黒い夜』には時間の厚みが加わった。
旅を終え、雑誌、テレビ出演により人種差別主義者も含めた全米住民たちにすべてが公開された直後の体験「余波」(1960年)の章に加え、
・その後急速に公民権運動が活発化していく道すじを生々しく語った「エピローグ」(1976年)
・グリフィンの死後加えられた、スタッズ・ターケルによる「序文」(2004年)
・人種差別が常識であった南部に生まれ、10代でフランスに留学、滞在中にナチス侵攻、救出活動に加わり命を狙われ亡命、母国に戻った直後第2次大戦開戦、参戦、失明...といった波瀾を体験したグリフィンを“旅”に向かわせた背景・経緯を当時の情勢とともにつづったロベルト・ボナッツィの「あとがき」(2004年)
が追記されている。

スタッズ・ターケルは「黒人対白人という問題は、未だにアメリカの抱える、拭っても拭いきれない強迫観念」だと序文の中で語っている。
終結したかのように扱われつつあるアメリカの“黒い夜の歴史”。ここに今のアメリカが世界規模でつくりはじめている、新たな“黒い夜”を生む構造の類似を、今だからこそ見ることができるのでは?

<1959年当時の写真8P掲載>

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